売買堂が選ばれる理由

鏡花全集や古事類苑などの本を買取しました。【京都市上京区】

買取品詳細

ジャンル


日本史関連書籍、古事類苑、事典、人文系単行本、小説


買取方法  出張買取


お住まい  京都府京都市上京区


最寄り駅  今出川駅


スタッフからのコメント

京都市上京区のお客様からメールにてご依頼いただき、古本の出張買取にお伺い致しました。

今回のお客様は、お亡くなりになったお父様の遺品整理ということで、書斎にある本の一部をとりあえず処分したいとのことで、当店に買取査定のご連絡をくださいました。査定内容によっては、残りの書籍も売却して処分したいとのことでした。

お客様のお宅に到着し、買取をご希望の書籍を見させてもらったところ、かなり年季が入った古書をはじめ、日本史関連の書籍も多く、その分野に付随する新書等も見受けられました。

また、江戸時代以前の日本文化を知る上での重要な史料集成とも言える『古事類苑』もございました。

『古事類苑』は、明治政府主導によって、明治・大正年間に編纂された我が国最大の百科史料事典です。歴代の制度・文物・社会百般の事項を30部門に分類して収録され、全ての巻数としては1,000巻にもなる膨大な事典です。分装和装本では351冊、洋装本では51冊(総目録・索引含む)となり、洋装本の総ページ数は6万7,000ページ余りにもなります。現在においても、様々な分野の研究者にとって、重要な史料集成と言える事典です。

そんな学術的書籍にもあふれた今回の買取の中で、特にご紹介したいお品は『鏡花全集』です。岩波書店より発行された全集です。

鏡花全集は、小説家の泉鏡花が著した作品を、全集として収めたものです。

泉鏡花は、1873年(明治6年)生まれの日本の小説家です。1890年(明治23年)に尾崎紅葉の小説を読み、作家になることを志し、翌年に19歳で玄関番として紅葉宅に住み込みをします。そして、鏡花は明治半ばから創作活動を始め、「夜行巡査」「外科室」で評価を得た後に、「高野聖」で人気作家となりました。明治後期から昭和初期にかけて活躍し、妖艶な怪奇趣味と特有の浪漫主義で、幻想と浪漫の作家・日本近代浪漫主義の大家として知られています。また、小説の他、戯曲や俳句も手がけました。

「高野聖」を発表するまでの近年の過程としては、1892年(明治25年)に、第一作「冠弥左衛門」が京都の「日出新聞」に連載されました。そして、翌年1893年、初の出版「探偵小説 活人形」(春陽堂)が刊行されます。1894年(明治27年)に父親が死去し、経済的に困窮した際には師匠である尾崎紅葉に励まされて執筆を続けたといいます。

1895年(明治28年)には尾崎紅葉宅から小石川に移り、「外科医」を発表します。田岡嶺雲に絶賛され、島村抱月らからは観念小説と評価されるなど、新進気鋭の作家として文壇に迎えられました。一方で、「義血任血」が川上音二郎一座により浅草座で、「瀧の白糸」の外題で初演された際に、無断上演をめぐって、尾崎紅葉との間で軋轢が生じたこともあったといいます。

その後、1900年(明治33年)鏡花が27歳の時、小栗風葉らと春陽堂社員となり、「新小説」編集に携わります。この時期に代表作の一つでもある「高野聖」を発表しました。

泉鏡花の耽美的で、独特の美意識をもった表現は、舞台・劇作にも名作が多く現代文学にも強い影響を与えています。鏡花独自の世界に興味を持たれた方は、1冊手に取ってみてはいかがでしょうか?

今回の買取依頼の書籍は、総じて状態が良く、帯や函などの付属品も揃っておりました。また、全集の付属品として大事な「月報」も全て揃っていたため、プラス査定の評価とさせていただきました。査定結果にお客様も大変喜んでくださり、「次回は残りの本も全て買取でお願いします。家のおおよその片付けが済んだらまた連絡します。」とのお言葉を頂けました。大変うれしい出張買取となりました。

売買堂では、専門的な書籍から、発行から年数が経っている古書なども積極的に高価買取をしています! 大量買い取り大歓迎です! まずはお気軽にお問い合わせくださいませ!