買取品詳細
ジャンル
日本文学、漢文学、中国文学、中国史、人文学、全集、辞典
買取方法 出張買取
お住まい 滋賀県大津市
最寄り駅 びわ湖浜大津駅
スタッフからのコメント
滋賀県大津市のお客様より、お電話にてお問い合わせをいただき、即日、古書籍・古本出張買取にお伺いいたしました。
「レジャーや勉強のために、長い間集めてきた本が多くあるが、読む機会がなくなったので本棚にあるものを全て片付けてほしい」というご要望で、早期の処分を強く希望されていました。その為、ご要望に応じて、その日のうちに古本買取に伺うことになりました。
お客様のご自宅に到着し、買取希望の書籍を拝見したところ、日本文学、漢文学に関する本、中国文学、中国史に関する本、その他人文学など複数のジャンルの本がございました。
査定の際に、お客様は学生時代から読書が好きで、関西の古本屋や古本市によく足を運び、その際に購入したり集めたりしていたことをお話ししてくださいました。今回の内容としては、一部に経年のヤケがある本がございましたが、ほとんどの本が付属の函や帯、月報、その他付属品も含めて、大変キレイな状態でした。学生時代から集めていた本とのことで、細かく丁寧に査定させていただき、最適な価格を提示させていただきました。その結果、お客様に喜んでいただける形となりました。
そんな今回の買取をさせていただいた本の中で、ご紹介したい本は『王朝物語 小説の未来に向けて』中村真一郎著です。潮出版社より発行された本です。
著者の中村真一郎は、戦後文学の騎手の一人として、前衛文学を長らく牽引してきました。その成果として「恋の泉」、「雲のゆき来」、「死の遍歴」など多くの作品があります。とくに「四季」４部作は最大の成果となる作品です。ちなみに「夏」は、フランス語にも訳されています。
中村真一郎は、大変な文学の読み手としてもよく知られていて、ギリシア・ローマの古典文学から１８世紀の「暗黒小説」を含む各国の前衛文学まで、また、中国古典文学から日本の古典文学まで広範囲に渡って渉猟しています。
特に文学経歴をプルーストの「失われし時を求めて」と紫式部の「源氏物語」の深い影響のもとに始めた中村真一郎は、上記の本のなかで批評的随想という形式使って、王朝文学群（竹取物語・伊勢物語・落窪物語・源氏物語・狭衣物語・とりかへばや物語など２０数編）を西洋文学史の広い展望のもとに縦横無尽に論じています。
副題に「小説の未来に向けて」とあるように単にこれらの古典作品に新しい光を当てるだけでなく、停滞した現代文学の可能性に向けて、これらの古典文学作品を読み直しています。また、この本は学術研究書を読むようなものではなく大いに知的楽しみに満ちている本だと言えるでしょう。興味を持たれた方は、一度お読みになられてはいかがでしょうか。
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